Neutral Scent

App developments & Gadgets

Wordで文書を作るということ 14:54

portal shit! - 半角スペース入れてますか?
http://www.portalshit.net/article.php?id=732
via textfile.org

という話を見て、まぁそうだよね、世間の人は読みやすい文字間なんて意識してないよね、と思うわけですが、せっかく話題になっているので、Wordはそういうことを見えないところで勝手にやってますよ、というお話でもひとつ。

今回のお題の機能は、

書式-段落/体裁 日本語と[英字/数字]の間隔を自動調整する

ですね。

HTML:

Dashboardで、便利なユーティリティウィジェットに手早くアクセス。用が済んだら即座に隠せます。
Automatorが反復作業を喜んで代行。あなたは単調な作業とは無縁に。
VoiceOverの高度な技術で、Macが新着メールを読み上げ。
どんなウインドウもExposéで瞬時に見つけて表示。 
メニューバーはシステムワイド。困ったときには各ウインドウからシステムコントロールにアクセスして選択。

Word2003:


(比較用にMSゴシック10ptにフォントを変更)

単純に欧文ワープロだったMicrosoft Wordをローカライズしただけの製品であれば、このような機能は付かないわけです。
(ちなみに、「日本語と英数字の間の不要なスペースを削除する」というよりおせっかいな機能もございます)
いかに日本語の文書を見やすく美しくするか? そして、組版や印刷、DTPの知識なしに誰もが簡単に綺麗な文書を作るには? という課題をクリアするために、さまざまな検討が行われ、Wordを日本語化・日本化するために機能が追加されています。

たぶんこの機能も、ほとんどの人は何も意識せずそのまま使っているか、一部の人が「またWordが鬱陶しいことを勝手にやりやがって」などと思っている程度なのですが、企業や役所にお勤めの方なら、10〜20年前ぐらいのワープロ打ちの文書と現在のWord文書を比べてみるとその違いを実感できると思います。
ワープロ専用機やDOS一太郎の時代から、WYSIWYGGUIDTPという言葉が登場し、進化していくなかで、それらの新しい観念や機能を使って、どうすれば日本語の文書を美しくすることができるのか?
実際の企業で使われる多くの文書・書籍を比較し、さまざまなパラメーターを調整しながら印刷、検討を繰り返すことで、この和欧文間スペース以外にも、文字間隔・行間やフォント、文書のマージンなど様々な要素がオリジナルのUS版Microsoft Wordから変更されています。

個々の機能はDTPアプリや他社の製品が先んじたものも多々あるわけですが(一方で英文ワープロまんまの製品も多々...)、日本の文書のほとんどがそのワープロを使って作成される、という前提で、何がベストなのかを突き詰めていった結果が現在のWord日本語版です。
(個人的には「段落をグリッド線に合わせる」とか納得いかない部分もありますがー)

まー、だからなんだ? HTMLと関係ないじゃん、って感じではありますし、だいたいWordのせいで...、とかいう話もたくさんあるとは思うのですが、元関係者としてそんなこともあるんだよ、と言ってみたかったりするわけです。あと、近頃のMicrosoft製品はそういうところ、ちょっと弛んでるんじゃないですか? とも...。