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Microsoft Bandだけじゃない! Microsoft HealthVaultを使ってみた


Microsoft Bandはやく来ないかなー、と物欲待機 状態で待ち構えていたところ、これなんだ? という感じで https://www.healthvault.com/jp/ja というアドレスがTLに流れてきました、おお、HealthVaultね、ん?? jp/ja!? いつのまに日本語対応されたの??
(追記: 日本語化されたのは2013年頃とのことです)
というわけで、早速登録出来たので使ってみました。

要約:

  • MicrosoftクラウドPHR(Personal Health Record)サービスがHealthVault
  • Microsoft Bandのデータ保存先となる
  • Web及び、iOS(iPhone/iPad), Android, Windows Phone, Windows Storeアプリ対応
  • Microsoft Bandだけでなく、サードパーティ製のFitbitや体組織計]などのフィットケアデバイス、血圧計などの計測器などかなり多数のデバイスに対応(活動量, 体重・体組織計, 血圧, 心拍, 血糖値, 酸素濃度,...)
  • サービス開始は意外と早く2007年
  • 個人のフィットネス・健康管理・医療記録などをすべて一元管理できる
  • Excel,CSV,TSVのデータをインポート可能
  • 特定の個人(メールアドレス)へ情報をShareしたり、医師に開示したりできる
  • 医療施設側からCCR/CCDフォーマットの開示データを受け取ることも可能
  • 緊急時に医療関係者のための緊急時プロファイルを作成可能
  • Webサービスは日本語化済、ほぼ遜色なく日本語でデータ入力できる


発表されたばかりのMicrosoft Bandと、ある意味、それと対になるクラウドサービスがMicrosoft HealthVault(ヘルスヴォルト)です。
いわゆるPHR(Personal Health Record)系のサービスで、 フィットネスデータだけでなく、健康管理・医療記録などをすべてを一元管理できます。言ってみれば柔軟なデータ形式を持つ健康系Webデータベースです。
クラウドサービス、しかもMicrosoftの運営するサービスに医療情報をすべてぶち込むなんて怖すぎるわ、という方、まぁ気持ちはわかります、そういう怖さを感じるならやめといた方がいいかもですね。一方で、一元管理するメリットも多分にあると思われますし、一元管理したいと思っていた方も少なからずおられるのではないでしょうか。
実は、HealthVaultに先行してGoogleGoogle HealthというPHRサービスを2007年から運営していたのですが、時代を先取りしすぎていたようで、2011年に採算が出ずに撤退しています。Google HealthもいずれAndroid Wear対応のサービスとして何らかの形で復活するのではないかと思いますし、AppleのHealthKitも同種のサービスなので、Apple Watchが発売されれば同様に話題になるでしょう。まぁ、そのあたりのサービスのMicrosoft版というわけです。
米国のPHR/EHRサービスの動向についてはこちらのレポートが参考になります。

米国における医療分野のIT導入に係る動向 - IPA ニューヨークだより 2012 年 5 月
https://www.ipa.go.jp/files/000001951.pdf (PDF)

ではその中でHealthVaultを使うメリットはというと、マルチプラットフォーム・マルチデバイス対応と、既にサービスを長期運営していることなどに加えて医療機関などへの積極的なアプローチを行っている点でしょう。Google Healthが利用していたCCDフォーマットに積極的に対応するなど、PHRサービスについて調べていると日本でも米国でのサービス例として故Google HealthとHealthVaultが2大サービスとして紹介され、来るべきヘルスケアや電子カルテなどとの乗り入れの課題として解説されていることが多いです。公共機関やエンタープライズ系でのMicrosoftの手堅さが効いてきている感じでしょうか、今後は魑魅魍魎が跋扈するような(失礼)日本の医療IT業界でどれぐらいこの手のサービスが利用されるようになるか、このジャンルでどれぐらいAppleが伸してくるか、といった辺り興味は尽きないところですが、はてさて、という感じ。

前置きが長くなってみましたが、HealthVault使ってみましょう。
...といっても、使い方は超簡単です。

そんだけ。
それでは以下はスクリーンショットで...。
まずは、 https://www.healthvault.com/jp/ja へアクセス。
右上の「サインアップまたはサインインサインイン」をクリック

おなじみのMicrosoftアカウントのログインが面が出るのでログイン。
アカウントが無ければ作成しましょう。

次は、既存のアカウント情報の確認と使用許諾ですね。
「あなたの情報の編集」で登録情報を事前に修正できます。ニュースレターの登録はお好みで。使用許諾のチェックボタンをチェックして「同意する」で登録完了。

ホーム画面が出れば、後はデバイスを紐づけたり、データをどかどかと登録していくだけです。

どうでもいいけど、ログイン後のアドレスが.co.ukなのはなぜなのか...?
試しに、血圧・心拍のデータをExcelからインポートしてみましょう。
最寄りの処方箋薬局に無料の血圧計がありまして、わりと行くたびに血圧・心拍を測定して、結果をスキャンしてEvernoteに突っ込んであったので、これをExcelに起こします。


なんかスペルミスしてるのがお恥ずかしい…。結果を紛失したり用紙切れの時もあるので隙間空いてます。
で、HealthVaultの血圧欄で、ツールバーから「インポート」を選択。

インポート画面が出るので指示に従って、今回はローカルのxlsxファイルを選択してインポート。




さらに、データの列とデータ形式を選択して一致させます。この辺りの作り込みはさすがですね。



というわけで、血圧と心拍数のデータがインポートされました。

当然、グラフも出ますよ。

医療検査結果を入力するフォームはこんな感じ。

緊急時プロファイルを作成すると、こういう感じです。

ざっと駆け足で見てみましたが、いかがでしょうか? 実際入力してみて、予想以上にしっかりできていると思いました。イメージ的には医療版SharePointという感じでしょうか?

それから、HealthVaultの魅力の一つ、マルチプラットフォーム・マルチサービス・マルチデバイス対応ですが、まぁiPhone/iPad, Android, Windows Phone, Windows対応は当然として(大事なデータを預けるだけにプラットフォームに縛られないのって重要ですよね?)、サードパーティ製のFitbitやWithingsなど、対応デバイスの量が半端でないです。また、ヘルスケア系のアプリとの連携などにも対応しているようです。
追記: Withingsの体組織計WS-50を実際に購入して試してみたのですが、HealthVault側で「申し訳ありませんが、お住まいの地域では Withings はサポートされていません。」表示となり、接続できませんでした。残念。
https://account.healthvault.co.uk/jp/ja-JP/Directory



日本のメーカーだとOMRONが一部対応しているようですが、今後TANITA等にも頑張って欲しいですね...。

Windows用には、HealthVault Connection Centerというデバイス接続アプリも用意されています。
https://www.healthvault.com/jp/ja/connection-center
開発者向けSDKもありますヨ。
http://msdn.microsoft.com/healthvault

個人的に、こういうデータを埋めてくと結果が得られる系は大好きなので、黙々と入力してしまいそうでヤバい感じですね。時間をみて、過去の健康診断記録なども入力してみたいと思います。検査結果を生データでもらったり、OCRでできればなぁ...。
というわけで、駆け足で紹介してみましたが、Microsoft HealthVault、いかがでしょうか? ちょっと使えそう、という気がしてきませんか? そして、何気に日本語化されていて、今すぐ使えます。まぁ、データを入力してみるかはともかく、Microsoftアカウントをお持ちなら、とりあえず登録してみて、中をぶらぶら見てみると面白いのではないでしょうか?
日本の医療機関も早期にこの手のPHRサービス対応を進めてほしいですね!!